レコード会社とレーベルの違いは?【メジャーとインディーズの特徴】
👤「レコード会社とレーベルって何が違うの?あと、メジャーとかインディーズとかの違いやメリットやデメリットも知りたい。」
こんな疑問に答えます。
▶︎この記事の内容 「レコード会社」「レーベル」「メジャー」「インディーズ」「事務所(プロダクション)」のそれぞれの違いを紹介します。
▶︎目次
- レーベルとは?
- レコード会社とは?
- レコード会社と契約するメリット
- レコード会社と契約するデメリット
- メジャーとは?
- メジャーの特色
- インディーズとは?
- インディーの特色
- 所属事務所とは?
▶︎ プロフィール
記事を書いている僕は、フリーランス音楽活動歴8年ほど。
路上からスタートして、タイアップをとったり音楽だけで生活したりといった経験をしてきました。
楽曲:テレ朝系、AbemaTV『みのもんたのよるバズ!』テーマソング 出演:NHK Eテレ『ムジカ・ピッコリーノ』など
レコード会社とレーベルの違いは?【メジャーとインディーズの特徴】
「え?レコード会社とレーベルって何が違うの?」と思うかもしれませんが、この2つは厳密に言うと別物なのです。
レーベルとは?
「レーベル」は、レコード会社の中の「部門」と思ってもらえればわかりやすいかと思います。レコード会社の傘下にはいくつかの「レーベル」が存在します。
「なんでこんな分ける必要があるの?」と感じるかともいますが、それぞれに特徴や色があると思ってください。
たとえば、こんな感じ。
- ロックバンドが多く所属しているレーベルを「レーベルA」
- 演歌歌手が多く、年配の人に向けたCD作りに特化している「レーベルB」
- アイドルが多く所属しており、アイドルCD作りに特化している「レーベルC」
このように同じレコード会社の中でも、それぞれ特徴ごとに「レーベル」を分けた方が方針を固めやすいのです。
それぞれのレーベルのスカウトの人たちは、自分たちの方針に合ったアーティストを発掘してきます。
つまりアーティストはCDを作るために、この「レーベル」に所属するのです。
例えて言うなら「すかいらーくグループ」の中に「ガスト」「夢庵」など、それぞれ方針の異なったお店があるようなイメージです。
レコード会社とは?
レーベルが作ったCDを、広告を打ったり戦略を立てて発売していくのが「レコード会社」です。
元々はレコードを販売していたため「レコード会社」と言う呼ばれ方が今も根付いています。
日本の有名なところでいう「エイベックス」や「ソニー」「ユニバーサル」などがレコード会社に当たります。
例えば、「エイベックス」で言うと
<エイベックス・エンターテインメント> ・avex trax(レーベル) ・avex-CLASSICS(レーベル) ・avex EDM(レーベル) ・... ・...
こういった形で「エイベックス」というレコード会社の中に「avex trax」などのレーベルがいくつも存在しています。
その「ave trax」というレーベルに大塚愛や、AAAなどが所属しているのです。
レコード会社と契約するメリット
レコード会社にはCDをショップに流通させる流通業者との繋がりがあります。
そのため、自分たちのCDを世に送り出しやすくなります。
例えば、実績を積んで全国区で人気が出てきたアーティスト。
CDを出す際にも、自分たちだけの手で出来ることにも限界が見えてきます。
より素早く、CDを全国に届けるためにもレコード会社と契約してCDを流通させた方が手間が省けるのです。
また「メジャー」と呼ばれるレコード会社の場合は資金を多く持っているため「広告宣伝費」などを使いメディアへのPRを行ってくれることも多いです。
自分たちの音楽が、より多くの人に届く可能性を広げてくれます。
レコード会社と契約するデメリット
レコード会社は流通や宣伝をバックアップしてくれますが、その分CDの収益の大半を吸い取られてしまいます。
メジャーともなれば、流通や宣伝にかかる費用やジャケットなどのデザイナー、スタッフ、エンジニアの人件費など多くの人が制作に関わるため当然のことです。
会社にもよりますがメジャーの場合、平均すると1,000円のCDを売ってアーティストの元に入ってくるのは100円と言われています。
アーティストがメジャーデビューをして1年で自ら契約解除。という話が沢山あるのも、うなずけますよね。
僕の周りでもそういった方々の話は沢山聞いてきました。
メジャーとは?
日本において「メジャー」とは「日本レコード協会」の正会員として登録されているレコード会社のことを言います。
2020年現在では以下の18社が登録されています。
- 日本コロムビア株式会社
- 株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
- キングレコード株式会社
- 株式会社テイチクエンタテインメント
- ユニバーサル ミュージック合同会社
- 日本クラウン株式会社
- 株式会社徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
- 株式会社ポニーキャニオン
- 株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
- 株式会社バップ
- 株式会社ビーイング
- エイベックス・エンタテインメント株式会社
- 株式会社フォーライフ ミュージックエンタテイメント
- 株式会社ヤマハミュージックコミュニケーションズ
- 株式会社ドリーミュージック・
- 株式会社よしもとミュージック
- 株式会社バンダイナムコアーツ
引用:wikipedia
「メジャーデビュー」というのはこれらのレコード会社からCDを出すことを言います。
メジャーの特色
メジャーは広告のバックアップも強いため、テレビなどへの露出が多くなります。そのため必然的に「万人受けされる音楽」を好むことになります。
「俺らはこの音楽がやりたいんだ」といったアーティストの意見よりも「レーベルが作ってほしい音楽」を優先させられる傾向です。
メジャーの力を借りて知名度が高くなればなるほど、アーティストは”皆にウケる音楽”へと走っていくことが多いのです。
「メジャーに行ってから、あのアーティストの良さが消えた」といったファンの人の声が上がるのも、よくある話です。
インディーズとは?
インディーズとは「日本レコード協会」に登録されていないレコード会社のことを言います。「日本レコード協会」の正会員(メジャー)になるには、過去の販売実績などの厳しい条件があります。
そのためほとんどのレーベルはこのインディーズとして、世の中に沢山存在しているのです。
ゴールデンボンバーや、WANIMA、モンゴル800などインディーズレーベルから有名になったアーティストも沢山います。
インディーズの特色
インディーズはメジャーと違い、資金がそれほど多くありません。そのため広告に使えるお金などにも限界があります。
「メジャー」ほどの拡散力、販売力はどうしても持ち合わせることはできないのです。
ですが、メディアへの露出も少なく日本レコード協会への登録もないため、ある程度の好き勝手が出来るのがインディーズの特徴です。
インディーズは「万人受けする音楽」を作るより「アーティスト独自の音楽」を優先しやすい傾向があります。
自分たちのやりたいことを大切にしているアーティストは、メジャーから声がかかってもインディーズを貫くといったことも多くあります。
また、関わるスタッフも比較的少なくメジャーほどの広告費もかけていないため、CDの収益もアーティストに多く入る傾向があります。
インディーズの注意点
インディーズレーベルの中には「CDを出したい」といったアーティストの気持ちを利用し、レッスン代だのレコーディング代だのと何かと必要以上の金銭を要求する悪質な所があります。
DTM(PCでの楽曲制作)が普及し、個人でもレーベルを持てる時代なので悪徳業も増えてきています。
特に、何もわからない音楽始めたてのミュージシャンは「CDが出せる!レコード会社!」といったワードだけで舞い上がりがち。そこにつけ込んでくるのです。
自分たちにとって、しっかりとしたメリットがあるのかどうか、冷静に判断しましょう。
所属事務所とは?
「レーベルだのレコード会社だの聞いてきたけど、じゃあ事務所って何?」
よく聞く「おたく、どこの事務所?」の、この「所属事務所」ですが、こちらはアーティストをマネジメントする会社になります。
「プロダクション」という呼び方をされることもありますが、同じ意味です。
アーティストの身の回りのケアや、売り出し方を考えたり、スケジュールを組み立てたりといったことをしています。
アーティストはフリーランスでない限り、レーベルとは別にこの「事務所」に所属しております。
また、一般的によくアーティストにつく「マネージャー」はこの事務所に所属しているスタッフということです。
まとめ
「レコード会社」と「レーベル」「メジャー」「インディーズ」「事務所(プロダクション)」のそれぞれの違い、わかりましたでしょうか。
<レーベル> レコード会社の中の「部門」 <レコード会社> レーベルが作ったCDを、広告を売ったり戦略を立てて発売していく会社 <メジャー> 「日本レコード協会」の正会員として登録されているレコード会社 <インディーズ> 「日本レコード協会」に登録されていないレコード会社 <所属事務所> アーティストをマネジメントする会社
結局のところ、自分たちの活動方針や置かれている状況にあっているかどうかで、どこに所属してどこと契約すればいいかが変わってきます。
現在では自分たちで「自主レーベル」を立ち上げたりするアーティストも増えています。
音楽が簡単にリリースできる時代となったいま。冷静な判断と、ある程度の知識は押さえておきたいところですね。
というわけで、以上です。