詞先・曲先の違いとおすすめは?メリットとデメリット【初心者向け】
👤「曲作りをしようと思うんだけど詞先とか曲先とか、よくわからない。違いとか、オススメを教えてほしい。」
こんな疑問に答えます。
▶︎この記事の内容 「詞先」と「曲先」の違い、メリット・デメリット、どちらがいいか、注意点など紹介します。
▶︎「詞先」「曲先」の違い・おすすめは?メリットとデメリット
- 詞先・曲先とは
- 詞先のメリット
- 詞先のデメリット
- 曲先のメリット
- 曲先のデメリット
- 「詞先」「曲先」どちらがいいか
▶︎ プロフィール
記事を書いている僕は、フリーランス音楽活動歴8年ほど。
路上からスタートして、タイアップをとったり音楽だけで生活したりといった経験をしてきました。
楽曲:テレ朝系、AbemaTV『みのもんたのよるバズ!』テーマソング 出演:NHK Eテレ『ムジカ・ピッコリーノ』など
詞先・曲先の違い・おすすめは?メリットとデメリット【初心者向け】
曲作りには大きく分けて2つ
- 詞先(しせん)
- 曲先(きょくせん)
の2種類があります。
「詞先」は歌詞から先に作ること。「曲先」はメロディーから先に作ること。
どちらが良いとか、どちらが正解とかは無くプロでもそれぞれ人によって違います。
では、それぞれにどんなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。
「詞先」のメリット
まずは、詞を先に書く「詞先」のメリットについて。
▶︎「詞先」のメリット
- ①メロディの制約がない
- ②メッセージ性の強い曲が生まれやすい
①メロディの制約がない
まだメロディが存在していないため、音にあてはめる文字数などの制約がありません。
ある程度、言いたいことを制限なく自由に書くことができます。
②メッセージ性の強い曲が生まれやすい
メロディが先にあると、そのメロディの雰囲気に合わせたテーマを選んで、それに合わせたワードを探すようになりがち。
ですが、詞先の場合は「これが言いたいんだ」というメッセージを惜しみなく湧き出るままに書くことができるので、必然的にメッセージ性の強い曲になることが多いです。
「詞先」のデメリット
詞を先に書く「詞先」のデメリットについて。
▶︎「詞先」のデメリット
- ①メロディをつけにくくなる
- ②後々、変更することが多い
- ③書きたいことが思いつかない
①メロディーをつけにくくなる
自由に書いた文章は、メロディーをつけるのがなかなか難しいところ。
歌詞に合わせたメロディーにしなければいけないので、曲調などもある程度は制限されてしまいます。
ハッピーな歌詞 → 明るい曲調 (ふさわしい) ハッピーな歌詞 → 暗い曲調 (ふさわしくない)
②後々、変更することが多い
メロディをつけてみたら、文字数がはみ出てしまってカット。 1番と2番で大幅にメロディが変わってしまうため、言い回しを少し変える。
などなど後々の変更は多くなってきます。
③書きたいことが思いつかない
メロディーが先にできていれば、たとえばそのメロディーがとても明るくウキウキするようなメロディーだった場合。
明るくウキウキするようなメロディー → 晴れた日に聞きたい曲 → 爽やかな歌詞 → 緑・青い空
と言ったように、メロディから逆算して歌詞が浮かんできたりテーマが決まってきたりします。ですが、まっさらな状態から歌詞を生み出すとなると案外、手が動かないものです。
「曲先」のメリット
続いて、メロディーを先に作る「曲先」のメリットについて。
▶︎「曲先」のメリット
- ①キャッチーなメロディーが生まれやすい
- ②構成が簡単で完成が早い
- ③メロディーに合わせてテーマを考えられる
①キャッチーなメロディーが生まれやすい
メロディーから作るとなると歌詞の影響を全く受けないため、もちろん自由にメロディーを組み立てられます。
直感的に「お、いいメロディだな」と思ったものを曲にできるので、詞先の曲よりもキャッチーなメロディーの曲に仕上がることが多いです。
②構成が簡単で完成が早い
たとえばAメロ、Bメロ、サビという王道の構成の曲であれば、1番と同じメロディを2番や最後のサビで繰り返してしまえば、1曲分のメロディーがほぼ完成してしまいます。
つまり、ある程度1曲分の「型」を作るのは曲先の方が早いということになります。
③メロディーに合わせてテーマを考えられる
「詞先で始めたものの、何を書いていいかわからない。」となってしまう方にオススメ。
曲先の場合は、出来上がったメロディーの雰囲気(明るい、しっとり)によって、あてはめるべき歌詞のテーマがある程度浮かんできます。自分で作ったメロディーがこれから書く歌詞のヒントになるのです。
メロディーに影響を受けて、思いがけない言葉が生まれてくるなんてこともありますので、そこがまた曲先の面白いところ。
曲先のデメリット
メロディーを先に作る「曲先」のデメリットについて
▶︎「曲先のデメリット」
- ①入れたいワードがハマりにくい
- ②メロディと書きたいテーマが合わない
①入れたいワードがハマりにくい
メロディーが出来上がっているので、当然そこに当てはめられる文字数にも限界があります。
そのため「サビの頭でこのワードを入れたいのに、うまくハマらない。」なんてこともあります。
ある程度、メロディーに合うワードを選んでいくということが必要になってきます。
②メロディと書きたいテーマが合わない
快晴の中でのドライブ、窓を全開にして聴きたいメロディーが出来ているんだけど、今書きたいのは失恋の歌。
といったように、何も考えずメロディを作ると後々いざ歌詞を入れる時に、こんなメロディーに合う歌詞は今は書けない。と言ったズレが生じることもあります。
特に、こう言った書きたいテーマがある人は歌詞を先に書くか、それを見越してメロディーを作っておくことが必要。
「詞先」「曲先」どちらがいいか
では、結局「詞先」と「曲先」どちらがいいのですか?って感じですよね。
こちらに関しては向き・不向きがあると思います。
「詞先」が向いている人
- 文章を書く、物語を構想するのが得意な人
- 言いたいことがある、メッセージ性を大事にしたい人
基本的にメッセージ性を大事にしている人や、歌を通して言いたいことがいっぱいあると言った人は「詞先」をオススメします。
聴いてくれる人にも、より歌詞がまっすぐ届きやすくなり歌詞に共感してくれるはずです。
ただ、やはり最低限は歌詞にあったメロディーをつけていくことを心がけた方がいいかと思います。
※「詞先」から挑戦する場合は注意が必要
あとあとメロディーをつけやすいように、少なからず、なんとなくの構成を意識することが大切。
何も考えずに書いてしまうと、結果的にサビに入れたいワードがBメロになってしまったり、ストーリー性の無い盛り上がりに欠ける曲が生まれがち。
また、文字数を全く意識せずに書くと後々で歌詞を大幅に変更したり削らないといけなくなることも多くなります。なのでざっくりとでも、文字数を1番と2番で揃える意識を持つことが大切。
そして、Aメロ、Bメロ、サビなど、自分がいまどのパートの歌詞を書いているかは意識しておきましょう。
「曲先」が向いている人
- 初心者の人
- 文章を書いたり、物語を構成と言われても思い浮かばない…と言った人
- 普段からメロディー重視で音楽を聴いている人
初心者の人にオススメなのは「曲先」です。やはり鼻歌からでも、ビートルズのように口笛からでも、メロディは作れます。
実際、普段から無意識のうちに口笛などで数秒の作曲をしている人も多いのです。
初めて作曲をする場合、まずはAメロ、Bメロ、サビの3パターン作ってしまえばそれを2番にも繰り返して、最後にサビをもう1度繰り返せば1曲分のメロディーは完成です。
そのメロディーの雰囲気から、どんなテーマが合うかを連想して歌詞を書いていくというのが、初心者には易しいかなと思います。
初心者のうちは意外とメロディーという「型」が最初からあった方が、歌詞を書きやすかったりするものです。自由研究よりも、ある程度テーマを決めてもらっていた方がとっつきやすいと言うあの感覚です(笑)
「詞先」「曲先」まとめ
初心者の方には「曲先」をオススメします。ただ、こればかりは正解はないので色々試してみることをオススメします。
僕自身もいまだに「詞先」の時もあれば「曲先」の時もあります。
ただ言えるのは、やはり「詞先」で作った曲の方がメッセージ性や歌詞の密度が高く、バラード調の曲が多い傾向になります。
ある程度、普段から曲にできそうなワードや思ったこと、自分の中での意思などを書き留めておくこともオススメします。
1番だけだろうと、1行だけだろうと、オリジナル曲に変わりはないので、まずは作ってみて感覚を掴むということを実行してみてください。
というわけで、以上です。