作曲と編曲の違いは無くなってきている?【作曲家は誰でもなれる】
👤「作曲と編曲って何が違うの?いまいちわからないので簡単に教えて欲しい~」
こんな疑問に答えます。
▶︎この記事の内容 作曲と編曲の違いをなるべく簡単に説明します。
▶︎目次
- 作曲と編曲の違い
- 編曲次第で歌は変わる
- 編曲家の悲しい現実
- 現代の編曲家はピンチ
▶︎ 記事の信頼性
記事を書いている僕は、フリーランス音楽活動歴8年ほど。
路上からスタートして、タイアップをとったり音楽だけで生活したりといった経験をしてきました。
DTMの勉強をして、自分の曲を自ら編曲(アレンジ)しています。
楽曲:テレ朝系、AbemaTV『みのもんたのよるバズ!』テーマソング 出演:NHK Eテレ『ムジカ・ピッコリーノ』など
作曲と編曲の違いは無くなってきている?【作曲家は誰でもなれる】
作曲と編曲って何がどう違うのか、いまいちピンとこない人も多いかと思います。
編曲家は「アレンジャー」とも呼ばれますが、同じ意味です。
この作曲と編曲の違いですが、簡単にいうとこんな感じです。
<作曲> ボーカルが歌うメロディーの部分を作ること <編曲> それ以外のイントロ、間奏、伴奏などを作ること
つまりは、鼻歌でメロディを作ればそれは立派な作曲になってしまいます。
編曲は、そのメロディを受け取って「ドラムはどうしよう、ベースはこうしよう。」などと考えてイントロや伴奏を作っていくこと。というわけですね。
最近、音楽知識の無いYouTuberが「作曲しましたー!」と言っているのは、メロディだけを作れば作曲になってしまうからですね。
実際そこに色んな楽器をのせて、ちゃんとした「歌」に仕上げているのは編曲家です。
つまり鼻歌でメロディを作ってあとは編曲家に丸投げでも、「この曲は僕が作曲しました!」と言えてしまうのです誰でも。
バンドの場合
「じゃあ、ドラムとかベースとかが元々いるバンドは編曲家はいらないの?」
と思うかもしれませんが、実際にはバンドであってもアレンジャーがつくことは多いです。
もちろん、自分たちだけでライブで演奏できるように1曲通してメンバーだけで完成させてしまうことがほとんどではありますし、駆け出しのインディーズであればレコーディングもそれだけで済ませてしまうことも多いです。
ですが多くのバンドは曲を音源にする時に、例えばそこに管楽器を加えたりバイオリン等のストリングスを加えたりといった、さらなる編曲(アレンジ)をすることが多くなります。
この時には編曲家(アレンジャー)をつける必要が出てくるわけですね。
弾き語りのシンガーソングライターなんかも、このパターンが多いです。
ライブでは弾き語りで演奏をして、音源にする時には編曲(アレンジ)を加えて。といった感じです。
編曲次第で歌は変わる
「じゃあ編曲ってめちゃくちゃ大事じゃん」と感じるかと思いますが、まさにそうなんです(笑)
同じ曲でも、オーケストラのアレンジをする場合もあれば、ゴリゴリのロックにアレンジする場合もあればと、これは編曲家(アレンジャー)によって決まります。
もちろん、作曲した人が編曲家に「こんな感じにしてくださいな」といった、ある程度の希望を注文することがほとんどですが、それでも編曲家によって仕上がりは全然違うものになります。
なのでメジャーにもなれば、信頼できるアレンジャーとタッグを組んでやっていくといった方法が主流になってきていますね。
編曲家の悲しい現実
そんな重要な役割を担っている編曲家ですが、その実態は少し不満が生まれそうな待遇になっています。
印税について
まず編曲家は、作詞家・作曲家が受け取るような「印税」が入ってきません。
日本での編曲家は、あくまで「作品に後から手を加えた人」という位置づけになってしまい印税の対象外になってしまうのです。
なので多くの場合は「1曲○○万円」といった固定額の仕事になっているのが現状。
つまり、いくらその曲が大ヒットしても編曲家(アレンジー)に入ってくるお金は変わらないのです、、、。
なんだかな〜といったところですが、近年のCDが売れない時代においては曲によっては作詞・作曲家の印税よりも編曲家(アレンジャー)の固定額の方が高いという状況も多いそうです。
さらに「なんだかな~」な状態ですね(笑)
目立たない
カラオケに行っても、画面に名前が表示されるのは基本的には作詞と作曲をした人の名前のみです。
また、音楽番組でも編曲家(アレンジャー)のテロップが出るのはごくわずか。
非常に大事な役割を担っているにもかかわらず、あまりフォーカスされないのが編曲家の現実。
「この曲の、このイントロがいいんだよね〜」といったリスナーの声はよく聞きますが、そのイントロを作った編曲家の名前を知っている人はあまりいません。
個人的には編曲も、作詞・作曲と同じステージで扱ってほしいところ、、、。
現代の編曲家はピンチ
最近ではDTM(デスクトップミュージック)というものが流行っています。
簡単にいうと、いろんな楽器をパソコン上で演奏して誰でも曲の編曲(アレンジ)をすることができるものです。
ここ最近ではこのソフト(DAW)が安価で手に入ってしまう時代となり、誰もが自分の曲を自分で編曲(アレンジ)することが可能になっているわけですね。
しかも情報はいくらでもある時代なので、少し勉強すれば高いクオリティまで完成度を上げることが可能になってきているのです。
その結果、作曲した人が同時に編曲までやってしまうことが主流になってきているのが、ここ最近の音楽業界。
実際にアイドルやジャニーズなどの「楽曲コンペ」等で作曲家が提出する音源も、今はほとんどがDTMを使ってある程度の編曲を済ませている音源になっています。
ひと昔前であれば、メロディに簡単な伴奏をつけたものでもコンペを通っていた時代でしたが現代はそうはいきません。
楽曲のイメージやクオリティがより伝わる「編曲済み」の音源の方がそりゃ強いのですね。
更には、最近はシンガーソングライターやバンドもこのDTMを使いこなし、自分たちでアレンジやミックス(整音)をしてサブスクでリリースなんていうことも多くなっています。
作曲家と編曲家の境が薄〜くなってきているわけですね。
こうなってくると次第に編曲家(アレンジャー)の需要が少なくなってくるかと、、、。
つまり「絶対にプロのアレンジャーにしか出来ない」といった、より専門的な技術を突き詰めていくことが今まで以上に必要になってきているわけです。
作曲と編曲まとめ
そんなわけで、作曲と編曲の違いなんとなく伝わりましたでしょうか。
これからの時代、アーティストはDTMができた方が間違いなく強いです。
それなりのクオリティで音源を自分で作れちゃいますし、DTMを勉強する=音楽理論にも強くなります。
それすらも最近はコードで音を自動生成とかが出てきて、深い知識が必要なくなったりもしていますが(笑)
また、DTMでいうと最近は作業によってはAIがやってくれるなんていうソフトも出てきています。
いずれにしてもハードルが徐々に下がってきているため、挑戦してみる価値はありありです。
最初は少ししんどいですが、あとあと勉強してよかったなと思えてきますよ。
と、いつのまにかDTMについての話になってしまったのでこの辺で終わります(笑)
何かの参考になったら嬉しいです。
以上です、ありがとうございました。