ショッピングモールでライブをする方法【インストアライブの手順】
👤「ショッピングモールみたいな商業施設でインストアライブをしたいけどフリーランスだし、どうやったらやらせてもらえるのか全くわからない。出演までの手順とかがあれば教えてほしい。」
こんな疑問に答えます。
▶︎ インストアライブまでの手順
- ①会場探し:ライブを行う会場をリストアップ
- ②資料送付:企画書、アーティスト写真、プロフィール、音源
- ③フォロー:折り返しの連絡が無いところには電話をかけるなどのフォロー
- ④日程調整:メールや必要書類のやり取り、現地打ち合わせなど
- ⑤会場設営:当日の入りから撤収まで
▶︎ プロフィール
記事を書いている僕は、フリーランス音楽活動歴8年ほど。
路上からスタートして、タイアップをとったり音楽だけで生活したりといった経験をしてきました。
ショッピングモールでのライブは約40会場、合計140公演ほど実施。
楽曲:テレ朝系、AbemaTV『みのもんたのよるバズ!』テーマソング 出演:NHK Eテレ『ムジカ・ピッコリーノ』など
ショッピングモールでライブをする方法【インストアライブの手順】
イオンモールや三井アウトレットパークなど、ショッピングモールにはちょっとしたステージやイベントスペースなどがだいたいあります。
こういった場所でライブイベントを実施するメリットとして
- 幅広い年齢層の人が多く行き交う
- お買い物に来ているので時間に余裕のある人が多い
- ライブハウスのようなノルマが無い
- 路上ライブのように中止となるリスクが無い
- それなりの音響設備が整っている
- フリーライブのため気軽に来てもらえる
など、非常に魅力的なライブ方法だと思。
そんなショッピングモールでライブをするまでの流れを5ステップで紹介します。
※あくまで経験上の一例です。これが絶対的に正解というわけではありません。
①会場探し:ライブを行う会場をリストアップ
まずはライブを実施したい会場を探し、リストにしましょう。ショッピングモールのライブ会場探しでチェックしておくポイントは以下2つ。
・テナントにCDショップが入っていないことを確認する ・音楽ライブのイベントを行なっているかを確認する
テナントにCDショップが入っていないことを確認する
ショッピングモールの中には「HMV」や「新星堂」「タワレコ」などCDショップが入っている施設もあります。
これらが入っている施設は、原則ショップ内でCDを販売しているアーティストのみがインストアライブを行うことができます。CDショップ主催イベントとして販売促進を行う目的です。
なのでCDを流通させていないフリーランスのアーティストには少し厳しい。
※例外でライブを行えることもありますが、基本的にはこれらCDショップが無い会場を選んだ方が無難です。
音楽ライブのイベントを実施しているかを確認する
施設の公式サイトへ行くと「イベント」というページがだいたいあるので、普段どんなイベントを行なっているかをチェックすることも大切です。
音楽ライブを積極的に実施している施設は狙い目。
②資料送付:企画書、プロフィール、アーティスト写真、ライブ風景写真、音源
会場のリストアップが終わったら次は資料を用意します。
資料として必要なものを順に説明。
企画書
「企画書」と書くと「なんか面倒くさそうだな、、、」と思うかもしれませんが、そんなこともないです。
簡単にこんなことやりたいですという内容をまとめた1枚の用紙で良いのです。
- ライブの形式(アコースティックギターと歌で、音楽ライブを行いたい。)
- 開催時間(①13:00~ ②15:00~ 各回5曲・約30分)
- 物販の有無(ライブ終了後に手売りのCD販売を行いたい。)
- 当日の流れ(11時入り / 17時撤収を予定)
- 打ち合わせ可能日(◯月◯日、◯月○日・・・)など、、、
宛先は「施設名+イベント担当者様」などで封筒に入れる形で問題ありません。
資料を送付すると、「一度打ち合わせに来てください」という連絡が来ることが多いので、送付する資料に打ち合わせ可能な日をあらかじめ書いておいてしまうと、後々スムーズ。
プロフィール
プロフィールはアーティストの紹介、経歴などをまとめたものです。使用機材などもあれば記載しておくとベター。
- アーティスト紹介文
- 経歴
- ホームページのURL
- 代表者の連絡先
- 使用機材(あれば)など、、、
責任者の電話番号やアドレスなどの連絡先も記載しておくと、そちらに折り返しの連絡が来るようになりますので必ず記載しておきましょう。
アーティスト写真
アーティスト写真も普段使っているもので問題ありませんが、ショッピングモールなので出来ればファミリー受けしそうなポップな明るいものをおすすめします。
相手がイメージしやすいように、一枚の紙に写真を何枚か盛り込んで印刷する形をおすすめ。
ライブ風景写真
コレ、かなり重要です。施設の人はそのアーティストが普段どんな雰囲気でライブをしているかが一番気になるところ。
施設側からしたら「できるだけファンを連れてきてほしい。」「モールの雰囲気を盛り上げてほしい」ということが大前提なので、それらがイメージできる写真を盛り込むことが大切です。
お客さんの後ろ姿が映ったライブ風景など、会場全体が映ったライブ写真を事前に沢山撮っておき、添付できるようにしておきましょう。
CD音源
これも重要、、というより上で挙げた物は全て重要なのですが、CDなどの音源も必ず同封しておきましょう。
「まだCDが無い、、、」という人はせめてYouTubeにライブ映像は載せておきURLを記載できるようにしておくとベター。
③フォロー:折り返しの連絡が無いところには電話をかけるなどのフォロー
資料を送った後は、一週間程度は様子を見ます。その間に連絡をくれる会場もありますが、この時に①で作ったリストに結果をメモしていくことをおすすめ。(どこどこNG、どこどこ◯月◯日打ち合わせ、など)
経験上、一気に送るとどこから返事が来てどこが保留だったかなど、ごっちゃになります(笑)
連絡が来た結果「うちはフリーランスはNGなんです」や「うちは既にイベントがパンパンで難しいです」などNGのところも、もちろん出てきます。
「なんだよ時間もCDも無駄じゃん」と思うかもしれませんが、これぐらいのロス無しではショッピングモールでのライブはそう簡単にはできません。根気と手間を惜しまず頑張りたいところ。
一週間待って連絡が来ないところ
折り返しがない所には一度こちらから電話をかけることをおすすめします。そもそもちゃんと見てもらえていなかったり、後回しにされていることが結構あります。
「一週間ほど前に資料を送った〇〇です」と電話をしてみるとその場で資料を確認してくれたり、打ち合わせの調整に進んだりすることがあります。
④日程調整:メールのやり取りや、打ち合わせ
連絡が来るとメールでのやりとりや、打ち合わせが行われます。その中で、実際にいつ開催するかという細かな内容等を決めていきます。
- イベント実施日の決定
- 作業届など、施設の指定書類の記入
- アーティスト写真の送付 など…
このメールのやり取りの中で「作業届」「イベント契約書」など、施設の指定書類が届きますので、記入して返信できるようにしておきましょう。
スピーカーを2台、物販用に長机を1台..など、借りる物と数を記入する「備品借用書」も送られて来ることが多いのであらかじめ当日必要な物をイメージしておくとスムーズです。
※書類記入について:パソコン上で記入ができない場合は書類をプリントアウトして記入し、プリンターのスキャナーもしくはスマホアプリ「CamScanner」などを使用してデータをメールに添付するのがおすすめ。
また、アーティスト写真をショッピングモールの公式サイトや折込チラシに印刷してくれることも多いので、アー写をjpegデータなどで添付できるように用意しておくと更にグッド。
⑤会場設営:当日の入りから終わりまで
当日は会場によって動きが変わってきます。
施設の担当の人が既に設営をしてくれていて、あとは音を出すだけという状態にしてくれている会場もあれば、お客さんの椅子を並べてステージを組み立てて音響機材を裏から運んでと、1から自分たちで行う会場もあります。
これらは打ち合わせの際に確認しておくのがベスト。自分たちで全て設営となると時間がかかりますので、早めの入り時間に設定しておくなどの対応が必要です。
また、会場によってはPAの操作なども自分たちで行う必要があるのである程度の操作方法は勉強しておくとベター。(わからない場合は担当者さんに聞けばある程度は把握してくれています。)
▶︎ 当日の流れ(例)
- ①施設の防災センターにて入館手続き
- ②事務所に行って担当者に挨拶
- ③楽屋へ案内される
- ④会場で設営・リハーサル
- ⑤本番 → 休憩 → 本番
- ⑥撤収作業
- ⑦事務所へ行って担当者に挨拶
- ⑧施設の防災センターにて退館手続き
ライブ終了後の挨拶では出来れば「次回、◯月ごろにまたお願いしたいのですが」といった次回の仮押さえをしてしまうというのも非常におすすめ。
定期的にライブを行うことでその会場でのリピーターを増やすことにもつながります。
ライブイベント開催後
開催後のアフターフォローも非常に重要です。数日以内、出来れば当日中に「本日はありがとうございました。」といった内容のメールを入れておくことも大切です。
また、次回開催の調整などが出来ていなければ、早い段階でやりとりをしておくとグッド。
補足
この記事を読んでみて生まれそうな疑問や不安点にお答えします。
「え、電話して可否を確認してから資料を送った方がいいんじゃない?」
→そうでもないのです。
最初に資料を送った上で、電話やメールなどのやり取りをすると「うちは基本フリーランスはNGなんですけど、資料の写真を見たら(CDを聴いたら)ちょっとやってみてもいいかもなと思いました。」といった連絡をもらうことが結構ありました。
おそらく電話だけでは断られる会場も、先に資料を送ってしまうことで興味を持ってもらえる可能性が大いにあると思います。
もちろん送ったCDが無駄になるなんてこともありますが、会場を確保するためにそこはケチらず積極的に送ることをおすすめ。
「施設のホームページを見てるとイベントスペース使用料一日◯◯万円みたいな書いてあって、そんなお金かかるの?」
→0にできます。
ショッピングモールのホームページなどに書かれているイベントスペース使用料は、ウォーターサーバーのキャンペーンをやったりするような法人向けのパターンが多いです。フリーランスで音楽活動をしていることを説明すれば使用料無しでのイベント開催も交渉可能。
ただ条件としてモールを盛り上げるということと、ファンの人に足を運んでもらうといったことが挙げられます。
ある程度は固定のお客さんができてからの挑戦がベスト。
「今までの実績が少なく、ライブ風景写真も用意できないし、ハードル高そう、、、」
→まずは「出演者募集」をしている会場を探しましょう。
この記事では基本的にこちらからアプローチする方法を書いておりますが、中にはステージ出演者を募集しているショッピングモールもあります。
上記は一例ですが、こういったところは積極的に音楽イベントを行なっており、初心者の方の受け入れも広く行なっている印象。
一度ライブをしてみて、次にその実績を次回のプロフィールに記載して徐々に大きな会場へシフトチェンジしていくのも効果的です。
おまけ
ショッピングモールにはほとんどの会場に音響機材が備品としてありますが、万が一持ち込まないといけなくなってしまった時にフリーランスだと厳しい場合があります。
ですが、その際に持っているとおすすめの簡易PAシステムを紹介。
▶︎YAMAHA ( ヤマハ ) / STAGEPAS 600BT+スピーカースタンドセット
こちらの『YAMAHA STAGEPAS600BT』は「誰でも1分で音が出せるPAシステム」と言われており操作が非常に簡単です。
ミキサーもスピーカーも一つになっていてリバーブなどの機能も充実しているので、これ一台でどこでもステージが出来てしまいます。
ショッピングモール以外でもカフェでの演奏や野外イベントでの演奏などに重宝しますので、長くいろんなシーンで活動していきたい方にはおすすめ。
行動あるのみ
周りのフリーランスのミュージシャンからは「路上ライブ規制がきつい」「ライブハウス、ノルマがきつい」などといった声をよく聞きます。
僕はこれらの経験を踏まえて、早い段階でショッピングモールという所に着目しアプローチを続け、毎週末どこかしらに歌いに行けるような活動のスタイルを定着させました。
フリーランス辛いわ、、、では無くどうやったらフリーランスを活かしてより良い活動を出来るかを考えて、周りとは違う行動が出来るかが勝負。
商業施設でのライブ、相手はほとんどが大手の企業です。
いち個人がイベントの営業を持ちかけるのは最初はなかなかハードルが高いですが、最初のハードルを越えれば定期開催が可能になったりCDリリースのタイミングでショッピングモールツアーを組んでみたり、苦労の甲斐がある結果を得られることは間違い無し。
あくまでひとつの方法として記事を書きましたが、興味を持った人はよかったら試しに真似してみてください。
ということで、以上です。