脱ノルマ地獄のライブハウス【対バンのチェックポイント3つ】

ライブハウス 音楽活動

👤「ライブハウスのノルマがきつい…お客さんも全然つかない。この悪循環をなんとかしたい。」

こういった悩みなどなどに関しての記事です。

▶︎目次

  • ①共演者をチェックする
  • ②チケットノルマをチェックする
  • ③お客さん目線で考える

▶︎ 記事の信頼性

記事を書いている僕は、フリーランス音楽活動歴8年ほど。
路上からスタートして、タイアップをとったり音楽だけで生活したりといった経験をしてきました。

ライブハウスでの演奏は合計150回ほど。

楽曲:テレ朝系、AbemaTV『みのもんたのよるバズ!』テーマソング
出演:NHK Eテレ『ムジカ・ピッコリーノ』など 

脱ノルマ地獄のライブハウス【対バンのチェックポイント3つ】


ライブハウスでの演奏は気持ちよくて魅力的。音響も照明も整っていて、他の会場では味わえない雰囲気です。
アーティストを愛してくれるライブハウスもたくさんあります。

ですが。

駆け出し若手の頃は「わーい、ライブハウスに出られるぞ」といった気持ちだけで浮かれて、結構な失敗をしてきました。

そこで、ライブハウスでの対バンにおいて気をつけておきたいチェックポイント3つを紹介します。
これからライブハウスで歌っていくぞ~っていう人はおさえておきましょう。

①共演者をチェックする


まず、お誘いをいただいた時に共演者をチェックするようにしましょう。
ちょっと嫌な印象に聞こえますね(笑) ですが気にする点としては「近いジャンルの人たちか?」と言ったところです。

特にシンガーソングライターや弾き語りユニットの場合、ゴリゴリのロックな共演者の中にポーンと詰め込まれることがよくあるんですよねこれが。
または、男性バンド1組+女性アイドル4組みたいなアンバランスなイベントもよく聞きます。

「違うジャンルの人たちと交流できて逆に燃えるじゃん」と言ったマインドをお持ちの方なら問題ありません。
ですが、ある程度ジャンルが似ているアーティスト同士の方が、それぞれのお客さんも興味を持ってくれることも確かです。

アーティストにとってもお客さんにとっても、非常に重要になってくるところかと思います。

特に「新しいお客さんをつけてノルマ地獄を抜け出したい。」といったアーティストは、こういったミスマッチなイベントを繰り返すのは圧倒的な非効率。

もちろん、そういったところをちゃんと考慮してブッキング(お誘い)をしてくれるイベンターさんも沢山います。
が、中にはとりあえずOK出たアーティストを詰め込んでいくといったスタイルのところもよく聞きますので、しっかり確認しておきましょう。

②チケットノルマをチェックする


ライブハウスでは「最低この人数は、お客さん呼んでくださいね〜。呼べなかった分はアーティストさんが自腹で払って下さいね〜」と言った、チケットノルマを設けているところが現在も多くあります。

このチケットノルマはまちまちですが「¥2,000 × 10枚」などが結構多めかと。

これは必ずチェックしておきましょう。
10枚のところもあれば15枚のところもあるし、20枚のところもあります。後々「思ってたのと違った」とならないように。

その上で、場所や日時などお客さんの来やすさを考慮して、本当に出演するメリットがあるかな?と冷静に考えてみることが大切です。

現代ライブハウス問題

周りのミュージシャンにもこのノルマに悩まされている人が多くいます。

「ノルマ分を集客できないけど、ライブをしないことには意味ないし…とりあえずバイトしながら」

ここまでしてもライブハウスに出演するのは「それでも聴いてくれる人がいるから」「新しいお客さんに聴いてもらえるチャンスだから」といった感じ。

ただこれが、共演の周りのアーティストも同じ状況で苦しんでいるっていうパターンが非常に多い。

結果的にノルマを達成できないバンド同士が対バンで詰め込まれて、ライブハウス側はアーティストから、しっかりとノルマ分を受け取るのでお客さんが少なかろうがお店の収入は変わらず入る。

=お客さんが入らなくても成り立ってしまう。

これが昨今、一部のライブハウスにおいて話題になっているいわゆる現代ライブハウス問題ですね。(ノルマを設けずに、お店自ら集客の努力をしているライブハウスも、もちろん多数あります。)

ライブハウス問題の回避策

新しいお客さんへの「宣伝」としての意味でこういったライブハウスの対バンに出演しているのなら、一旦考えてみるのも良いかと思います。

  • ちょっと格上のアーティストと対バンを申し込む
  • 相手が集客があって対バンも難しいアーティストであればオープニングアクトで交渉する
  • 近しいアーティストとタッグを組んで、更にライブハウス側に「似た感じのいいバンドいませんかね」といった交渉をしてみる。

など、この状況を抜け出すために出来る事としては、アーティスト側からのアプローチが効果的になってくるんじゃないかと思います。
この切り替えで、良い方向へ傾いたアーティストを何組か見てきました。

先ほどのチェック①のように、メリットとして共演者とお客さん同士もお互い興味を持ってくれて聴いてくれるかどうか、今後につながるかどうか、というところは非常に大事だと思います。

そこで初めて、出演するべきかどうかの判断をすることをオススメします。
少なくとも、ノルマを達成できないバンド同士で詰め込まれる状況は事前に回避できるかと。

ただ誘われたものに出演して…という”受け身”は経験上あまりオススメはしません。(既に信頼関係のあるライブハウスなら別です。)

弾き語りやシンガーの場合

オケを使ったシンガーや、ソロ、ユニットの弾き語りであればまた変わってきます。

共演が魅力的であれば、対バンによるメリットもあるという点はバンドと同じですが、弾き語りの場合はライブハウス以外でもライブできる場所は沢山あります。
路上ライブ、商業施設のオープンスペース、今は『SHOWROOM』や『17 イチナナ』などの配信ライブでも広く知ってもらうという意味では、新しいお客さんに聴いてもらえる時代です。
ライブ経験がなくても始められる場所はいくつか選択肢があります。

そのため弾き語りの場合には、ノルマを達成できる程度のお客さんがついてから、ライブハウスを視野に入れていくことをオススメします。

ライブハウスは音響・照明が整っているので「歌」を届けるのには勿論、最高の場所です。
ですのでイメージとしてはフリーライブで出会ったお客さんに、改めてしっかりと「歌」を届ける場としてライブハウスを利用する。といったイメージが経験上では理想的です。

勿論そこで新たな出会いがあれば更に効果的ですが、「今いるお客さんにしっかり届ける」といった意味合いで十分かと思います。
それ以外の広く届けるという意味では、ライブハウス以外の活動に重点をおいた方が圧倒的に効率的です。

またノルマ以上にお客さんを動員する事で、結果的にライブハウスの人からも喜ばれることに繋がります。パフォーマンスが大事なのは大前提なので、はしょってます。

もちろんノルマをクリアさえしていれば、チケットバックというものがアーティストに入るので、活動をする上ではライブハウスでのメリットとなりますが。

③お客さん目線で考える


ここも重要ですね。トイレは綺麗か。禁煙か。駅から近いか。地図はわかりやすいか。客席は快適か。スタッフは愛想がいいか。
こういった視線も出演するライブハウスを選ぶ上では大事なポイントになってきます。

実際にライブが始まってしまえばアーティストは裏にいますが、常にフロアにいるのはお客さんです。
お客さんが快適に過ごせないと、どれだけアーティストが「良いライブだった〜」と思ってもそれは良いライブにはならないです。

ライブのお誘いをもらうとついつい「アーティスト目線」での基準でしか考えないことが多くなりがち。が、何よりも大切である「お客さん目線」を忘れないようにしましょう。

まとめ


といった感じで、賛否が分かれそうな内容でヒヤリですが(笑)
もちろんライブハウスは魅力的な場所で、僕自身も好きです。

ただ、いまだに周りからは「俺らのお客さんしかいなかった」「ノルマがキツすぎる」といった声を多く聞きます。

仮に¥2,000のノルマを5人分の1万円を支払ったとして、同じ1万円で今は個人でもYouTubeに広告が打てる時代です。
自分たちの音楽が好きそうな層を狙ってアプローチができてしまうのです。広告として強制的にMVを見させるという(笑)

僕は元々2人組ユニットを組んでいたので、例えば系統が同じような「ゆず」のMVを見ている人だけに広告を打てたりするのです。
広告費が安い分、分母は少ないのですが、むやみやたらに宣伝するよりも興味を持ってくれる確率が高いので、これが意外と効果的です。

詳しくはまた記事にできたらと。

ライブハウスは「誘われたから出る」ではなく「共演者をこちらで交渉してみたり、提案したりして出演する」といった能動的な気持ちがあるかないかで、悪循環を抜け出せるかどうかに繋がっていくと思います。

とはいえライブにおける価値観はそれぞれなので、あくまで経験上のいち目線です。

あと、何度も言いますがアーティスト第一でイベントを熱く企画してくれる良心的なライブハウスも、もちろん数多く存在しています。

駆け出しのバンドだと、なかなか険しい道かも知れませんがライブハウス以外のアプローチと組み合わせつつ冷静に考えていきましょう。

というわけで、以上です。